BtoB提案書をAIで下書きする方法|顧客情報と数値の確認ルール

AIで作ったBtoB提案書の顧客条件と数値を原資料に照らして確認する担当者 WEBサービス

BtoB提案書は、文章を整えるだけの資料ではありません。顧客の課題、前提条件、費用、期間、担当範囲など、間違えると商談や契約に影響する情報を含みます。生成AIは構成案や文案の下書きに役立ちますが、顧客固有の事実や数値まで任せると、もっともらしい誤りが混ざる可能性があります。

大切なのは「AIに提案書を書かせる」ことではなく、AIが扱う部分と、人が原資料で確認する部分を先に分けることです。

最初に情報を3区分する

区分 例 扱い
入力しない情報 未公開の個人情報、秘密保持対象、認証情報 利用環境と契約条件で許可が確認できるまで入力しない
原資料が必要な情報 顧客課題、数量、価格、日付、納期、仕様 AI出力を必ず原資料と照合する
下書き支援に向く情報 章立て、表現の整理、確認質問、見出し候補 事実を追加させず、編集素材として使う

経済産業省・総務省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」は、AIの適正利用においてプライバシー、セキュリティ、透明性、アカウンタビリティなどを扱っています。これは特定の提案書テンプレートを義務づけるものではありません。自社の情報管理規程や利用サービスの契約条件と合わせて運用へ落とし込みます。

AIへ渡す前に提案事実シートを作る

AIへの入力文を先に考えるのではなく、確認済み情報だけを集めた「提案事実シート」を作ります。顧客名を匿名の案件記号に置き換えても、案件を特定できる詳細が残ることがあるため、匿名化したつもりで入力範囲を広げないことが重要です。

  • 提案の目的と、今回の提案対象外
  • 顧客が確認した課題と、その確認日
  • 数量、期間、予算などの数値と出典
  • 自社が担当する範囲と、顧客側の作業
  • 未確定事項と、誰にいつ確認するか

下書きから承認までの5ステップ

  1. 構成だけを出す:背景、課題、提案、進行、条件、次の行動という章立てを作らせます。
  2. 確認済み事実を渡す:許可された情報だけを、事実と未確定に分けて入力します。
  3. 推測禁止を明示する:不足箇所は補完せず「要確認」と表示するよう指示します。
  4. 原資料と照合する:顧客情報、数字、日付、固有名詞、契約条件を一項目ずつ確認します。
  5. 別担当者が承認する:作成者とは別の承認者が、提案可能性と表現を確認します。

数値確認表

確認項目 原資料 照合方法 承認者
価格・税・単位 正式な見積条件 計算式と表示単位を確認 営業責任者
期間・日付 工程表・営業日カレンダー 開始条件と休日を確認 進行担当
効果見込み 検証データ・前提条件 保証表現になっていないか確認 事業責任者
顧客情報 議事録・依頼書 最新情報と同意範囲を確認 営業担当

AIが計算したから正しいとは限りません。合計、割合、単位換算は表計算や電卓でも再計算し、前提条件が変わったときは関連箇所をまとめて更新します。

公開・送付前チェックリスト

  • 入力してよい環境と情報範囲を確認した
  • 顧客の課題を推測で補っていない
  • 数字、日付、固有名詞に原資料がある
  • 未確定事項を断定表現へ変えていない
  • 他社向け提案の文面や顧客情報が混入していない
  • 提案範囲、対象外、顧客側の作業が一致している
  • 人が最終承認し、承認版を保存した

再利用するのは文章ではなく確認工程

過去の提案書をそのままAIへ渡して別顧客向けに書き換えると、顧客名、条件、価格、成果表現が残る危険があります。再利用するのは完成文ではなく、章立て、確認項目、承認者、差し戻し理由の分類です。案件ごとの事実シートは新しく作り、参照した原資料と版を記録します。

送付後に誤りが見つかった場合は、AIを使ったかどうかに関係なく、訂正版、訂正理由、送付先、再承認を記録します。月次では、AIの利用回数ではなく、原資料との不一致、未確定事項の見落とし、確認にかかった時間を振り返ります。誤りが集中する項目は入力テンプレートを増やすのではなく、元データの管理や営業ヒアリングの工程から見直します。

提案書のテンプレートを更新するときは、旧版を使う担当者が残らないよう、保管場所と利用開始日を明示します。AIへ渡す指示文も提案書と一緒に版管理し、出力の品質が変わったときに条件を再現できるようにします。外部サービスの仕様変更があった場合は、入力データの扱い、保存、学習利用、管理者設定を再確認してから利用を続けます。

関連手順と相談先

数値と出典を含む資料全般の確認には、AIで社内資料の下書きを作る手順が参考になります。一次情報までたどる方法は、生成AIの出力をファクトチェックする手順で詳しく整理しています。

自社の提案業務へ安全なAI下書き工程を組み込みたい場合は、LIFESEEDSのAI活用・業務効率化支援をご覧ください。業務と情報区分を確認したうえで、お問い合わせから相談できます。

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