ホームページを新しくするとき、ページの見た目や原稿に意識が向き、古いURLをどうするかが後回しになることがあります。ところが、お客様は新しいトップページから来るとは限りません。以前のメールにあるリンク、保存したブックマーク、検索結果、配布済みのチラシから、古いページへ直接来ることもあります。
大切なのは、新サイトが開くことと、以前からの入口が使えることを別々に確かめることです。島田市周辺でホームページの作り直しを検討する小規模事業者に向け、制作担当と一緒に旧ページから新ページへの引継ぎを決める方法を説明します。サーバーの設定コードを自分で書く必要はありません。まず事業者が判断したいのは、古いページを見ようとした人に、新しいサイトのどの案内を渡すかです。
デザインを変えることと住所を変えることを分けます
URLは、Web上でページの場所を指定する文字列です。同じ会社のサイトでも、会社全体のドメイン名が変わる場合と、ドメイン名はそのままで末尾のページ名が変わる場合があります。たとえば架空の案内で、example.com/service-a.htmlをexample.com/services/a/へ変えるのもURL変更です。以下に出すURLは説明用の架空例で、実際の移転先ではありません。
一方、同じURLのまま文章やデザインを変えることもできます。新しい見た目にするために、すべてのURLまで変えなければならないとは限りません。制作担当へ「現在のURLを保てるページはありますか。変える必要があるのはどれですか」と聞きましょう。見た目を統一する話と、ページの住所を整理する話を分けると、変更理由を説明しやすくなります。
URLを保てば、それだけで移行の確認が不要になるわけではありません。同じ住所に違うサービスを置けば、以前のリンクを開いた人の期待と食い違います。逆に、住所が変わっても適切な新ページへ案内できれば、必要な情報へ進める可能性があります。住所の一致だけでなく、何を知りたくて開くページだったかも一緒に扱います。
WordPress.orgのURL変更後の転送に関する相談にも、自動転送の表示を見たのに、お客様からページが見つからないと言われたという質問があります。これは個別の相談であり、すべてのサイトで同じ問題が起きるという統計ではありません。ただ、「設定できたように見える」と「以前のリンクから目的の情報に着く」は別に確かめたいことだと分かります。
最初に集めるのは新しいページ案より古い入口です
制作担当に、現在公開しているページのURL一覧を出せるか相談します。サイトマップや管理画面、サイト内を調べた一覧などが材料になります。ただし、その一覧に出ない古いページやファイルもあります。手元のパンフレット、営業メールの定型文、名刺のQRコード、予約確認の案内、取引先に掲載してもらったリンクも見直します。
全部を頭で思い出す必要はありません。「お客様に渡す資料」「社内で送る定型文」「検索から来るページ」のように入手先を分け、誰が確認するかを決めます。過去の資料が多い場合は、現在も配っているものと、配布は止めたが手元に残りそうなものを先に集めます。見つけたURLの横に、どの資料から見つけたかを書いておくと、後でリンク元を直す担当が分かります。
Search Consoleやアクセス解析を利用しているなら、権限のある担当に、検索から閲覧されているページや入口になっているページを確認してもらいます。集計に出るページだけが引継ぎ対象ではありません。アクセスが少なくても、申込手順や製品の説明書のように、その人にとって重要な案内があります。データと実際の利用場面を組み合わせて優先順位を決めます。
PDFや画像に直接リンクしている場合も分けて控えます。ページは残したのに、配布済みの説明書だけ開けなくなることがあるためです。ファイル名を変えるか、同じファイルを新しい場所へ置くか、内容自体を廃止するかで対応が違います。顧客専用の資料など、一般公開してはいけないものを引継ぎ一覧の作成を理由に公開しないようにしてください。
旧ページごとに維持と移転と統合と廃止を選びます
一覧ができたら、旧ページの目的と、新サイトでその目的を満たすページを並べます。最初から転送設定の欄だけを作ると、「どこかへ送ればよい」という判断になりがちです。先に内容の引継ぎ方を決め、その結果として転送などの方法を制作担当と選びます。次の表は分類の提案です。実サイトの情報を確認したうえで使ってください。
| 分類 | 判断すること | 担当者へ渡す情報 |
|---|---|---|
| 維持 | 同じURLで同じ目的の案内を続ける | URLと残す内容、変える内容 |
| 移転 | 同じ案内を別のURLで続ける | 旧URLと対応する新URL |
| 統合 | 複数の案内を一つのページにまとめる | 旧ページごとの必要情報と統合先 |
| 廃止 | 現在は提供せず、同じ目的の後継もない | 廃止理由と終了案内の必要性 |
移転では、名称が似ているかより、読者が元々知りたかった内容を得られるかを見ます。架空の修理店で「修理を頼む前の準備」を移すなら、新サイトにも持参物や事前確認の説明が必要です。「修理サービス」という大きな紹介ページに転送しても、準備の説明がなければ同じ目的を満たしたとは言いにくいでしょう。
統合も、複数のURLを一つへ向けるだけでは終わりません。旧ページのうち、残すべき受付条件や注意事項が統合先にあるかを確かめます。統合先が長くなりすぎるなら、必要な説明へ進みやすい見出しやページ内リンクを制作担当へ相談できます。ただし、URL末尾の見出し位置まで指定する方法は、転送の実装と実際の移動を確かめてから採用します。
廃止には、同じ目的を満たす移転先がないことがあります。この場合、無関係なトップページを後継として扱わないことが大切です。終了のお知らせを一定期間案内する必要があるか、問い合わせ先はどこかを事業者が決めます。存在しないことを伝えるサーバーの応答や案内画面は、ページの状況に合わせて制作担当が設定します。
対応表に未決定を残せるようにします
移行の成果物は、「旧URL、新URL、分類」だけでも作り始められます。そこへ旧ページの役割、主な入口、判断した人、実装した人、確認結果を加えると、内容の決定と設定作業を混同しにくくなります。小さなサイトなら共有できる表で十分です。使う道具より、同じ表を見て判断できることを優先しましょう。
以下は架空の三ページを移す例です。公開済みサイトの設定や実際のお客様の案件ではありません。新しい構成が決まりきっていない箇所は、推測でURLを埋めず、未決定のまま担当と期限を残します。
| 旧URL | 旧ページの役割 | 分類と引継ぎ先 | 公開前に確認すること |
|---|---|---|---|
| /repair.html | 修理対象と相談方法 | 移転:/services/repair/ | 対象外と相談窓口も残るか |
| /repair-prep.html | 修理依頼前の準備 | 統合候補:/services/repair/ | 準備の説明を掲載してから確定 |
| /old-course.html | 終了済み講座 | 廃止、後継なし | 終了の説明と現行案内への経路 |
二行目の統合先に準備の説明がまだなければ、転送の実装完了にしません。先に原稿を直すか、準備用のページを残すかを決めます。三行目は、新しい別の講座があるというだけで転送先にしません。対象者や申込条件が異なれば、同じ案内を求めた人に別の内容を見せてしまうためです。
表には「内容承認待ち」「新URL未定」「設定待ち」「確認で不一致」のような状態を残します。空欄の意味が人によって違わないよう、未決定と対象外も書き分けてください。公開直前に新ページ名が変わった場合は、表と設定の両方を更新します。制作担当の作業表と事業者の確認表が別なら、どちらを最終版とするかも決めておきます。
制作担当には表示と裏側の応答を一緒に頼みます
古いURLへ来た人を新しいURLへ自動で案内する仕組みをリダイレクト、または転送と呼びます。恒久的な移転であることを伝える仕組みには、301などの応答があります。ただし、設定場所や方法はサーバーやサイトの構成で違います。インターネット上の設定例をそのまま貼るより、対応表を渡して対象と結果を指定しましょう。
Googleのサイト移転の公式案内も、新旧URLの対応、転送、新旧双方の確認を扱っています。転送を用意すれば検索順位が固定されるという意味ではありません。検索側が新しいページを処理する間は変動し得るため、入口の動作確認と検索の経過観察を分けて進めます。
依頼するときは、「旧URLを開くと、対応表にある新URLへ直接進み、目的の内容が表示されることを確認してください」と伝えます。見た目だけではなく、転送の応答、途中で何度も転送されないこと、元のURLへ戻り続けないことも確認範囲にします。転送先の新ページが公開前の閲覧制限や検索非表示の設定を残していないかも、公開切替の項目として別に見てもらいます。
新しいページに書かれたリンクも、新URLへ直します。古いURLから転送できるからといって、メニューや本文に古いリンクを残す必要はありません。制作担当には、サイトマップや正規URLの指定と、画面内のリンクが新しい構成に合っているかをまとめて確認してもらいます。サーバーの転送だけ、本文のリンクだけを直して完了にしないのが要点です。
公開前は新ページを見て公開後は古い入口から歩きます
公開前の確認では、新ページに必要な原稿があり、リンクやフォームが動くかを見ます。この段階では、本番の旧URLからの転送をまだ切り替えられない場合があります。その場合は「公開前に確認済み」と「公開後に確認する」を分け、いつ誰が後半を行うかを決めておきます。未実施の項目を確認済みのチェックにしないでください。
公開後には、対応表の旧URLを直接開きます。トップページのメニューから新ページへ着く確認だけでは代わりになりません。実際のメールにあるリンクや、配布物のQRコードからも進み、最終的にどこへ着くかを見ます。スマートフォンを使う資料ならスマートフォンでも試し、転送後に申込みや相談まで進めるかを確かめます。
結果には確認日、旧URL、最終URL、見えた内容、担当者を残します。「開いた」とだけ書かず、修理対象の説明があるか、持参物が分かるかなど、表で決めた目的が満たされるかも確認します。HTTP応答が正常でも、別の店舗や違うサービスに着けば内容の不一致です。反対に内容は合っていても応答が適切でないことがあるので、技術確認の結果も受け取りましょう。
不具合があれば、同じ設定を何度も上書きする前に、どの旧URLで何が起きたかを制作担当へ伝えます。古い画面が見える、別ページへ行く、転送が繰り返される、ページは開くが資料がない、というように症状を分けます。ブラウザーや配信側の一時保存が関係する場合もありますが、原因を確認せず「時間がたてば直る」で終わらせないことが大切です。
公開した翌日からも移行の担当を残します
公開時に確認した一覧があっても、後から古いリンクが見つかることがあります。社内の定型メール、以前の紹介記事、配布済み資料など、公開作業中には見つからなかった入口を受け付ける窓口を決めましょう。見つかったURLを対応表へ追記し、内容判断、設定、再確認の順で処理します。新たに見つかったものを、既存の一括転送へ無条件に加えないようにします。
検索の状況は、権限のある担当がSearch Consoleでページ単位に見ます。問い合わせ件数が減ったという感覚だけで、移行の失敗と断定しません。まず転送やリンクの不具合、検索への反映状況、計測の継続性を確認し、その後に内容や時期の影響を考えます。公開直後の小さな数字で成果を決めつけず、元の期間と比較できる記録を残します。
転送をいつまで保つかも公開前に相談します。Googleの上記公式案内では、検索側が古いリンクなどを処理するため、一般的に1年以上の保持を示しています。これは検索側の目安であり、1年で必ず止めてよいという期限や、サーバー契約を一律1年にする指定ではありません。配布済みの資料などで古いリンクが長く使われるなら、それ以上の維持も検討します。新サイトが表示されたという理由だけで、旧ドメインや転送を担う環境をすぐ解約しないでください。制作担当に、維持する契約、費用の確認先、見直し時期、担当交代時の資料を説明してもらいます。ドメインの所有やメール利用も関係する場合は、それぞれ別の確認が必要です。
移行の完了条件も、公開ボタンを押したことだけにしません。重要な旧入口の到達確認が終わり、未解決のURLには担当と対処があり、公開後の確認資料を事業者が受け取った状態を目指します。すべての検索結果が同時に切り替わることまでを、制作担当が確約できる完了条件にしないようにしましょう。
見積もりでは移行表と確認結果を受け取る範囲を決めます
制作を依頼する前に、見積もりへURL引継ぎの作業が含まれているかを確認します。「リニューアル一式」という表記だけでは、旧URLの収集、移転先の内容判断、転送設定、公開後の確認のどこまでか分かりません。事業者が集める資料と、制作担当が調べる範囲を分けて聞くと、後から必要な作業が見つかったときも相談しやすくなります。
たとえば、制作担当が現サイト内のURL一覧を作り、事業者が紙と営業メールのリンクを追加し、両者で後継ページを決める分担が考えられます。これは一つの提案で、すべての契約に含まれる内容ではありません。資料が残っていない場合や旧サイトへ管理者として入れない場合は、分かる範囲と調査できない範囲を先に伝え、調査の方法を相談します。
公開時の連絡先も決めます。事業者が旧リンクの不具合を見つけたとき、制作担当へ何を送れば調べられるかを聞いておきます。旧URL、確認した日時、最終的に表示されたURL、画面に出た説明を送れる形なら、症状を再現しやすくなります。個人情報が写る場合は、必要な範囲を伏せたうえで共有し、画面全体を無条件に外へ渡さないようにします。
納品物としては、最終の対応表と技術確認の結果、公開後に残る確認事項を受け取ります。転送を実装した担当しか行き先を知らない状態では、次の更新で設定を消してしまう恐れがあります。将来別の担当が更新するときも、どの旧入口を維持しているかを確認できる資料があると、再び同じ調査を始めずに済みます。
ホームページの作り直しは、新しいページを作る仕事であると同時に、これまで渡してきた案内をつなぐ仕事でもあります。まず現在よく使うサービスページと配布物から旧URLを集め、残す内容と移す先を決めてみてください。ページの数が多ければ、一覧づくりと分類からLIFESEEDSへ相談することもできます。
現在の案内を生かした作り直しは、LIFESEEDSのホームページ制作・改善をご覧ください。今のサイトで困っていることは、お問い合わせからご相談いただけます。


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