AIでシフト表の下案を作り勤務ルールと希望休を照合しましょう

紙の希望休メモからAIで勤務表の下案を作り人が条件を確認する担当者のイラスト WEBサービス

希望休の紙を机に並べ、「この日は二人必要」「この仕事はAさんかBさんでなければ困る」と考えながらシフト表を埋める。最後に一人を動かすと、別の日の人数や連続勤務をもう一度確かめることになります。

この作業は、勤務ルールと勤務できる日時を整理すれば、生成AIにシフト表の下案を作らせるところから始められます。ただし、「ルールを読ませたから全部守っているはず」と判断しないことが大切です。AIに案を出してもらい、担当者が条件と照合して確定します。

島田市周辺の小規模事業者で、紙や表計算を使ってシフトを作っている方に向けた実践ガイドです。完成させるのは、日別の勤務表、個人別の勤務回数・時間、条件違反と未調整事項の一覧です。7人・1週間の架空例で、入力から急な欠勤の組み直しまで見ていきましょう。

AIに渡す前に「絶対に守る条件」と「できればかなえたい希望」を分けます

「できれば均等にする」と「水曜日は出勤できない」は、同じ強さのルールではありません。勤務できない人を出勤させて見た目を整える案は使えません。まず、次のように分けます。

勤務条件の整理例
種類 何を書くか 満たせないとき
必ず守る条件 必要人数、担当できる業務、確定した勤務不可日、契約上の時間上限、一日の勤務枠数 違反する案を確定せず、条件や人員を担当者が確認する
調整する希望 可能なら土日を休みたい、勤務回数を近づけたい、遅い枠を偏らせたくない かなわなかった希望を明示し、人が調整する
未確認事項 希望休が確定か相談段階か、応援できる人、必要な資格、未回答の日時 AIに推測させず、本人や管理者へ確認する

勤務不可と希望休の区別は、担当者が本人へ確認して決めます。AIが「希望なのだから出勤できる」と読み替えてはいけません。未回答の人を「いつでも勤務可能」にするのも避けます。

就業規則を丸ごと渡す場合も、そこに勤務可能日や必要人数まで載っているとは限りません。AIに関連箇所を抜き出させることはできますが、担当者が元の文書と照合し、適用する条件を承認してから割り当てへ進みます。

紙の管理から移すために、四つの資料を用意します

  1. 勤務枠と必要人数:現在の勤務表や業務の担当者から、開始・終了、休憩、必要な人数と技能を確認します。繁忙日だけ人数が違うなら日別に書きます。
  2. 人ごとの条件:管理者が契約・担当業務を確認し、勤務可能な枠、時間や日数の上限、必要な技能を記録します。全員に同じ上限を当てはめません。
  3. 今回の勤務可否:紙の希望休を転記し、日付ごとに「勤務可能」「不可」「未確認」を整理します。紙と転記表を別の人が見比べるか、担当者が読み直します。
  4. 期間の外側の勤務:連続勤務を確かめるため、直前の勤務実績と次の期間の確定予定も確認します。週の初めで連続勤務をゼロに戻しません。

転記用の表は、普段の表計算やテキストで構いません。最初から新しい勤怠システムへ移行する必要はありません。日付は「水曜」だけでなく「2026-10-21」と書き、対象期間と資料の版を付けます。

氏名はP01などの作業用IDへ置き換え、氏名との対応表は社内に残します。電話番号、住所、給与額、休む理由、病名や家庭事情はAIへ渡しません。必要なのは勤務できるかどうかです。技能や勤務条件も社内情報なので、会社が入力を認めたサービスと契約・保存条件を確認します。入力できない職場では、この記事の架空例で書式だけ試してください。

まずは通常のAIチャットで1週間を試します

ここでは会社が利用を認めたClaudeのWeb版を例にします。公式の開始ガイドに沿ってclaude.aiへログインし、新しい会話で入力欄へ文章を貼り、送信します。利用には18歳以上・対応地域などの条件があります。日本の対応は公式の地域一覧で確認できます。

この方法は文字を貼って表を出すもので、ファイル添付、外部アプリ接続、APIの設定は前提にしません。無料・有料のいずれでも利用枠や会社の利用許可を確認してください。AIが社員のカレンダーや勤怠記録を自動で取得することも、勤務表を掲示することもありません。

いきなり一か月分の全員を任せず、一つの部署・1週間の下案を、現在の作り方と並行して試すのがおすすめです。夜勤、日をまたぐ勤務、複数拠点、休憩中の人数を含む仕事は条件が増えるため、以下の短時間勤務の例をそのまま流用しないでください。

自社用に書き換える入力テンプレート

まず次の角括弧を埋めます。人ごと・日ごとに行を追加してください。「勤務可能枠」と「日別可否」の両方を使い、未確認の欄は残します。下の架空例は記入の見本です。

資料の版:[確認日・版]
対象期間・週の区切り:[開始日〜終了日、週の起算曜日、Asia/Tokyo]
勤務枠:[枠名、開始、終了、休憩の時刻と長さ、実働]
日付別の必要人数と技能:[日付、枠、最低人数、必要な担当者・人数]
必ず守るルール:[R番号、条件、誰が確認したか]
調整希望と優先順:[S番号、希望、優先順位]
人ごとの条件:[ID、技能、可能枠、日数上限、実働上限、他の勤務の実働]
日別可否:[ID、日付、枠、勤務可能・不可・未確認]
直前の勤務:[ID、連勤上限の点検に必要な過去の日付と勤務実績]
直後の予定:[ID、日付と確定予定/未確定なら未確定と書く]
対象外:[夜勤、資格配置など、この試行で扱わない範囲]

7人の架空例を、ルール付きの入力資料にします

ここからは、架空の受付業務です。2026年10月19日(月)から25日(日)まで、早枠は9〜13時、遅枠は13〜17時、それぞれ実働4時間とします。各枠に二人、そのうち一人以上は業務の判断ができる「担当リーダー」が必要です。これは例の役割名で、法令上の管理監督者や特定資格を意味しません。

以下の数値は、この架空の職場の設定です。法律で「週20時間」「連続3日」と一律に決まっているという意味ではありません。

資料の版:練習用v1
対象期間:2026-10-19〜2026-10-25、Asia/Tokyo
勤務枠:早=09:00〜13:00、遅=13:00〜17:00、各枠実働4時間
必ず守るルール:
R1:毎日、早枠と遅枠にそれぞれ二人。各枠に担当リーダーを一人以上入れる。
R2:一人が同じ日に入るのは一枠まで。
R3:人ごとの勤務可能枠と勤務不可日を守る。未確認は可能と扱わない。
R4:対象週は一人5日以内、実働20時間以内。ほかの勤務・研修等の実働はこの例では0。
R5:連続勤務は3日まで。10/17・10/18からつなげて数える。
調整する希望:
S1:Gは可能なら土日とも休みたい。ただし確定した勤務不可ではない。
S2:可能なら対象週の勤務回数の差を小さくする。
人ごとの条件:
ID,担当リーダー,勤務可能枠,勤務不可日
A,はい,早または遅,2026-10-21
B,はい,早または遅,2026-10-23
C,はい,早のみ,なし
D,はい,遅のみ,なし
E,いいえ,早または遅,2026-10-25
F,いいえ,早または遅,なし
G,いいえ,早または遅,なし
各人は上記の勤務不可日を除き、対象期間の対応枠すべて勤務可能と確認済み。
直前の勤務(勤務枠の違いは連続日数には影響しない):
ID,2026-10-17,2026-10-18
A,休,休
B,休,勤
C,勤,休
D,休,休
E,休,勤
F,勤,休
G,休,休
次週2026-10-26以降:未確定。今週末とつなぐ点検は次週作成時に必要。

この資料を自社用に変える場合は、対象日、勤務枠と休憩、人員、役割、各人の上限、勤務可否、前後の実績を全て置き換えます。日によって必要人数が違うならR1を日付・枠ごとの一覧にします。例の「ほかの勤務は0」も、実際の研修や別部署の勤務を確認して書き換えてください。

一度に「作成・完成」させず、条件確認から依頼します

最初の指示は、表を作る前の条件整理です。AIが間違って読んだルールを先に見つけます。

あなたは勤務表作成の補助担当です。下の資料だけを使ってください。
まだ勤務表を作らず、次の三つを出してください。
1. 必ず守るルールR1〜R5と、調整希望S1〜S2の読み取り結果。
2. 足りない情報、矛盾、未確認の項目と、誰に何を確認する必要があるか。
3. 必要な総勤務枠数・総実働時間と、各人の上限から見た単純な容量比較。
未回答を勤務可能にせず、条件を勝手に緩めないでください。
容量が足りても、日別の人数と技能を満たせるとは断定しないでください。
ここから入力資料:
[自社用に書き換えた資料、または上の架空資料を貼る]

架空例は、7日×2枠×2人=28人分の勤務枠、28×4=112時間です。全員の上限だけなら7人×20=140時間あります。ただし、140時間あるから割り当て可能とは限りません。必要な日時に、その枠を担当できる人がいるかが別の問題です。

読み取り結果を原資料と比べ、不足事項を人が確認します。問題が解消したら、次の指示を同じ会話で送ります。条件を訂正した場合は、訂正版の資料を全文で貼って「こちらの版だけを使う」と示してください。

確認済みの資料を使い、対象期間の勤務表の下案を作ってください。
必ず守るルールを優先し、その範囲でS1、次にS2の順で調整してください。
条件を満たす案を見つけられないときは、無理に埋めず未割当と理由を出してください。
案が見つからないことだけを根拠に「数学的に不可能」と断定しないでください。
出力は次の四つです。
A:日付/早枠の二人のID/遅枠の二人のID/未割当の表。
B:各IDの勤務日、勤務回数、合計実働時間、直前から続く最長連続勤務日数。
C:R1〜R5の点検表。対象日・ID・原資料の条件と照合した値を示してください。
D:かなわなかったS1〜S2、未確認項目、人が判断すること。
同じ日に同じIDを二枠へ入れず、存在しないIDを足さないでください。
週の外側の未確定予定や法律への適合を、確認済みとして書かないでください。
まず一案を出し、最適な案を保証しないでください。

勤務表だけでなく、個人別の集計まで見ます

以下は、架空資料に対して用意した出力例です。Claudeが実際に生成した回答の転載ではありません。掲載する割り当ては、別の計算プログラムでも条件を照合しています。実際のAI回答は違うことがあるため、自分の原資料へ戻って確かめてください。

架空の勤務下案
日付 早・9〜13時 遅・13〜17時 未割当
10/19(月) C、G A、B なし
10/20(火) A、F D、E なし
10/21(水) C、G D、E なし
10/22(木) C、G B、F なし
10/23(金) A、F D、E なし
10/24(土) A、C B、E なし
10/25(日) B、G D、F なし
架空の個人別集計:直前の実績も含めた連勤確認
ID 対象週の勤務日 回数 実働 最長連勤
A 10/19、10/20、10/23、10/24 4回 16時間 2日
B 10/19、10/22、10/24、10/25 4回 16時間 2日
C 10/19、10/21、10/22、10/24 4回 16時間 2日
D 10/20、10/21、10/23、10/25 4回 16時間 2日
E 10/20、10/21、10/23、10/24 4回 16時間 2日
F 10/20、10/22、10/23、10/25 4回 16時間 2日
G 10/19、10/21、10/22、10/25 4回 16時間 2日

全員が4回・実働16時間で、直前の勤務を含めても連続勤務は3日以内です。Gは土曜日を休めていますが、日曜日に勤務するため「土日とも休みたい」という希望はかなっていません。必須条件を満たしていても、希望が全てかなった案とは扱いません。別の案で両日を休めるかは、追加の調整事項です。

担当者は、少なくとも次を実際の勤務表と原資料で点検します。AIが自分で付けた「全て問題なし」という評価だけを根拠にしません。

下案を確定する前の照合
点検 架空例で見る具体的な箇所 自社での確認
人数と技能 14枠すべて二人で、A〜Dのいずれかがいる 日付・時間帯別の必要人数、担当業務、休憩中の人数を確認
勤務可否 Aは10/21、Bは10/23、Eは10/25に割当なし。Cは早枠、Dは遅枠だけ 確定した勤務不可日と勤務可能枠を各人の原回答と照合
重複 同じ日、同じIDが早枠と遅枠へ重複しない 他部署・別表での同時勤務も確認
日数と時間 全員4日×4時間=16時間、5日・20時間以内 休憩を引いた実働と研修等も含めて契約上限に照合
連続勤務 10/17からつなげて確認、次週は未確定 前期間の実績と後期間の確定予定をつなぐ
調整希望 Gの日曜休みは未達。回数は全員4回 未達の希望を本人と調整し、理由を残す

表計算を使える場合は、AIとは別に人数と回数を数えます

紙で点検しても構いません。表計算を使う場合は、一人一行の表にすると重複や集計を確かめやすくなります。A列をID、B列を担当リーダー(はい・いいえ)、C〜I列を10/19〜25の勤務(早・遅・休)にし、2〜8行へA〜Gを置きます。表は勤務下案から転記し、転記した内容が元の下案と同じかも確認してください。

架空例の配置に使うExcelの式
確認したいこと 式 この例での読み方
Aの勤務回数(J2) =COUNTIF(C2:I2,"早")+COUNTIF(C2:I2,"遅") 4になる。J8まで行ごとにコピー
Aの実働時間(K2) =J2*4 16になる。この4は例の実働時間
10/19の早枠人数 =COUNTIF(C2:C8,"早") 2が必要
同日の早枠リーダー人数 =COUNTIFS(C2:C8,"早",$B$2:$B$8,"はい") 1以上が必要

遅枠は式の「早」を「遅」へ、別の日はC列をその日の列へ変えて確認します。一つのセルに「早・遅」と書かず、一日一枠だけにします。COUNTIFは指定した値のセル数、COUNTIFSは複数条件に合うセル数を数える関数です。勤務枠ごとの実働が違う職場は単純に4を掛けず、各枠の実働を足します。これらの式だけでは希望休や連勤まで検査できないので、原資料照合を省きません。

人数は足りていても、担当できる人がいなければ止めます

例えば架空例の10/21に、BとCも勤務できなくなったとします。Aはもともと勤務不可、Dは遅枠しかできません。早枠へ入れるE・F・Gはいても、早枠を担当できるリーダーが一人もいません。この場合、早枠の条件を満たせません。

「Dを早枠に入れる」「リーダーなしでもよいことにする」という変更をAIに勝手にさせないでください。管理者が勤務可能な応援者を確認する、業務範囲や営業体制を見直すなどの判断を行います。変更してよい条件が承認されたら、条件表の版を更新して再作成します。

一方、AIが案を見つけられなかっただけなら、本当に組合せがないとは限りません。「どの日・枠で、どの条件が詰まっているか」を出させ、人が確認します。複雑な職場では、通常の会話AIより、条件を数式として検査する仕組みやシフト管理サービスが適する場合があります。GoogleのOR-Tools公式例にも、人数・一日の割当上限・希望を条件として扱う勤務割当の考え方があります。これは技術的な例で、この記事のClaudeに同じ最適化機能が組み込まれているという意味ではありません。

急な欠勤では、空いた一枠だけを見て交代させないでください

架空例で10/22のFが欠勤になったとします。遅枠はB一人になり、人数が不足します。Eはその日に空いていますが、Eを入れると10/20・21・22・23・24が連続勤務になり、R5に違反します。「空いているから交代できる」とは限りません。

Aを10/22の遅枠へ追加する修正なら、この例の必須条件を満たします。10/21は休みなので連続勤務は10/22〜24の3日、週は5回・20時間です。Fは3回・12時間へ減り、回数の均等は崩れます。本人の勤務可否が本当に変わっていないかを担当者が確認してから採用します。

変更資料の版:練習用v2
変更:Fは2026-10-22に勤務不可へ変更。ほかの原条件は維持。
確定済みの勤務表を基準に、変更する割当を最小限にした修正案を出してください。
まず10/22の遅枠のFをAへ交代する案について、R1〜R5を再点検してください。
元の案/修正案/理由/影響する人の週合計・連続勤務/未達の希望を示してください。
Aへ交代できない追加条件があれば、未割当として残してください。
修正前の勤務表と条件表も以下に貼ります:
[今回使用している最新版の資料と勤務表を貼る]

「変更箇所だけを点検する」のではなく、変わる人の週全体と前後の勤務を再確認します。確定版は管理者が承認し、勤務する人へ変更を連絡します。紙の掲示・共有ファイル・個人に送った表の版をそろえ、古い表を使わせないところまでが作業です。

休憩と法律の条件は、自社で確認した内容を入力します

日本の労働時間には、原則として1日8時間・1週40時間、6時間を超える労働には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日などの規定があります。厚生労働省の労働時間・休日の案内を確認してください。制度や業種等により適用条件が異なるため、自社の就業規則・契約・適用する制度を管理者や労務担当者が確認します。

この記事の実働4時間の例には、長い勤務での休憩配置や夜勤を含めていません。実際に9〜18時の勤務を扱うなら、休憩の長さと時間帯、休憩中に必要な人員も別に書きます。「在籍二人」でも一人が休憩中なら、二人が働いていることにはなりません。日付をまたぐ勤務や他の仕事との合計も、確認済みの条件へ追加します。AIの点検表を労働法への適合証明には使いません。

時短になったかは、確認と手直しの時間まで含めて比べます

初回は、紙から条件を整理する手間がかかります。次回も変わらないルールを保存し、希望休や必要人数などの変更点だけ更新できれば、下案づくりや組み直しを省力化できる可能性があります。何分短縮できるかは、人数や条件、出てきた案の修正量によります。

同じ範囲の勤務表で、従来の「資料集め・割当・点検・修正・連絡」と、AIを使った「資料整理・入力・下案待ち・点検・修正・連絡」の時間を記録します。作成だけ速くても、違反の修正で時間が増えていれば改善とは言えません。条件違反や変更連絡漏れも一緒に記録してください。

最初の目標は全自動化ではなく、担当者の頭の中にある条件を見える形にして、下案を作り直しやすくすることです。毎回同じ条件違反が出る、規模が大きい、夜勤や資格条件が多い場合は、表計算の検査や専用の勤務割当の仕組みを検討します。現場に合う方法を選ぶことが、続けられる時短につながります。

勤務ルールの整理や、今の作り方に合わせた小さな試行は、LIFESEEDSのAI活用・業務効率化支援をご覧ください。相談する場合は、実名の名簿ではなく、人数、勤務枠、困っている条件を整理し、お問い合わせでお知らせください。

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