手書きの勤務記録を電子化し体操教室の月末作業を軽くした事例

スマートフォンの勤務入力から表と給与明細へつながる流れを描いた説明イラスト WORKS

月末になると、紙の勤務記録を集め、時間を足し、給与明細へ転記する。同じ情報を何度も扱う仕事は、人数が増えるほど負担になります。

静岡県の専門家派遣制度を通じて、幼稚園や小学校などで体操指導を行う企業の業務改善を支援しました。アルバイトスタッフの勤務記録をGoogleフォームへ変え、GoogleスプレッドシートとChatGPTを活用して月末の集計・明細作成へつなげた事例です。

支援先で月末に約1日かかっていた担当者の作業は、改善後には約5〜10分が目安になりました。この変化を生んだのは、AIの利用と、現場の記録から経理へ渡す流れの見直しです。島田市周辺で同じような紙の集計に悩む事業者の参考として、取り組みと確認しておきたい点を紹介します。

10〜20人分の手書き記録が月末に集まっていました

現場では、アルバイトの勤務日、勤務場所、勤務時間などを紙へ手書きしていました。経理担当者は月末に10〜20人分の記録を確認し、時給に基づく計算と一人ずつの給与明細作成を行っていました。

この方法では、勤務の集計を始める前に、手書き文字を読み取り、別の用紙や表へ写す作業が必要です。数字を計算する時間に加え、読みにくい文字の確認や転記にも負担がありました。

そこで、紙を月末に読み取る方法から、勤務した内容を現場で入力し、その記録を後の処理でも使える方法へ変えることにしました。

記録する入口と月末に作る明細をつなぎました

最初に整えたのはGoogleフォームです。勤務日・勤務場所・勤務時間・アルバイト氏名をスマートフォンなどから入力できる形にし、回答をGoogleスプレッドシートへ蓄積するようにしました。

Googleの公式ヘルプでも、フォームの回答をリンクしたスプレッドシートへ保存する方法が案内されています。現場で入力した情報が一覧になるため、経理が紙から同じ内容を入力し直す工程を減らせます。

次に、あらかじめ用意した指示を使い、ChatGPTを活用してスタッフごとの勤務時間集計、時給に基づく計算、既存書式に合わせた給与明細の作成へつなげました。支援では印刷までの処理と月末の定期実行も整えています。

今回の支援で見直した仕事のつながり
場面 改善前 改善後
勤務記録 現場で紙へ手書き 現場からフォームへ入力
集計用の資料 月末に紙を読み直して転記 回答が蓄積したシートを利用
明細の準備 個人ごとの計算と書式への入力 集計・既存書式の明細作成を自動化した流れで処理

ただし、ChatGPTへ指示すれば、未接続の勤務記録を自動取得し、会社のプリンターから印刷できる、という意味ではありません。採用した連携方式や定期実行・印刷の具体設定はこの記事では示していません。同様の仕組みを作る際は、データの受け渡し、実行環境、必要な権限を個別に確認します。

約1日から5〜10分という変化をどう見るか

経理担当者の月末作業が大きく軽くなり、喜んでいただけたことが印象に残っています。紙を一枚ずつ確認して集計する負担を減らし、出てきた結果の確認へ時間を向けられるようになりました。

約1日と約5〜10分は、今回の支援先における月末の担当作業の目安です。初期構築や現場の日々の入力を含めた総工数の比較ではありません。測定日・回数・細かな作業条件はこの記事では提示しておらず、他の企業にも同じ短縮率を当てはめることはできません。

GoogleのサービスとChatGPT Plusを中心にした構成を利用しましたが、現在同じ仕組みを導入する総費用は、契約や連携、確認方法によって変わります。ここでは一律の月額料金や削減率を示さず、何の作業が減ったかを見ていただければと思います。

集計が速くなっても人が確かめるところは残ります

入力が電子化されても、勤務時間そのものの誤りは起こり得ます。運用時には、対象月の記録がそろっているか、同じ勤務を二重に入れていないか、適用する時給に変更がないかを確認する必要があります。出力された明細は元の勤務記録と照合し、確認が済んでから確定します。

特に給与情報は、誰にでも見せてよい資料ではありません。フォーム、回答シート、明細の閲覧者をそれぞれ決め、AIへ渡してよい情報と利用環境を確認します。試作や相談には、匿名のIDに加え、架空の勤務時間・金額や空欄の見本を使えます。実名を消しただけで給与情報を外部へ渡してよいと判断せず、会社で承認した情報と環境に範囲を絞ります。

この事例の集計・明細作成の説明から、税金や社会保険、勤務条件などを含む給与全体の判断まで自動化できるとは考えません。今回の改善範囲と、自社で使う計算・確認のルールを分けて設計することが大切です。

相談するときは今の記録と明細の間を見せてください

似た仕事を改善したい場合、最初からAIの製品名だけを決めるより、個人情報を伏せた勤務記録の見本と、完成させたい明細の空書式を用意すると話が具体的になります。「どの項目をどこへ写すか」「計算前に何を確認するか」「例外は誰に戻すか」を、その二つの間でたどってみてください。

これは今回の事例を自社へ当てはめる際の提案です。まず一人分・一期間の匿名の見本で、今の方法と結果が一致するかを比較し、手直しに必要な時間も含めて判断すると、実際に減らせる負担が見えてきます。

試す際は、誤りが見つかったときの直し方も決めておきます。たとえば勤務時間の入力間違いなら、まず原記録を本人に確認して修正し、その記録から対象月を再集計します。作り直した明細と旧明細を区別し、修正前のものを配らないところまで確認します。これは自社で導入する際の運用提案です。

専門家派遣制度の対象や費用負担、受付状況は実施機関によって異なります。利用を検討するときは静岡県の専門家派遣制度の案内から最新の窓口を確認してください。

関連する記事と相談先

私は、現場での入力から担当者の確認まで、仕事の流れを見ながら改善方法を整理しています。身近な道具を使った業務改善はLIFESEEDSのAI活用・業務効率化支援をご覧ください。月末に負担が集中している作業は、お問い合わせからご相談いただけます。

支援経験に基づく匿名事例です。アイキャッチは内容を説明するためにAIで作成したイラストで、実際の支援先や帳票を撮影したものではありません。

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